着物の保管

収納

 直射日光や蛍光灯の紫外線は色焼けの原因になります。タンスに収納してください。また 絹は湿気を嫌います。乾燥した環境での保管が大切。ビニール袋や紙箱に入れたまま保管しないで下さい。
 着物の収納には総桐タンスが最適です。ただし、どんなに高価なタンスでも長年入れっぱなしの状態ではカビやシミ、変色の原因になります。時々タンスを開いて換気したり、年に一度は畳紙(たとうし)を開いて乾燥した新鮮な空気に触れさせてください。

防虫剤

 和服用しょうのうや,ピレスロイド系は安全(量には注意)ですが、パラジクロロベンゼン系、ナフタリン系は絹には向かず、金糸、銀糸、箔、ラメを変色させます。また、種類の違うものを同時に使わないで下さい。防虫剤をお求めの際は、「きものに向く」ことを確かめて購入して下さい。

虫干し

 空気が乾燥する10月下旬~11月上旬又は、1月下旬~2月上旬そして梅雨が明けた7月(土用の虫干し)。湿度が低いことを確認して午前10時頃から午後3時頃までが最適。きもの1枚づつ裏返しに掛けて、風通しの良い所で陰干しをします。時間が無い時は畳紙(たとうし)を広げて着物を畳んだまま風を通すだけでも効果はあります。要は乾燥した新鮮な空気に触れさせてあげることが大切なのでタンスの引き出しを開けておくだけでも違います。

着物のお手入れ

着物を着終わったら

 外出から帰って着物を脱いだら、シミや汚れがないかよく点検します。汚れがなければ、着物用ハンガーに掛けて一晩陰干しをします。柔らかい布などで袖口、裾、肩のあたりを優しくたたいてホコリを落としてから畳紙(たとうし)に畳んで収納します。
 帯、長襦袢、小物なども同様に軽くホコリを取ってシワを伸ばし、陰干ししてください。 
 長襦袢の半衿が汚れてきたら取り外して洗う、交換する、外さずに業者に丸洗いに出す、などお手入れしましょう。   
※たとう紙は4〜5年で新しいものに替えてください。
※何日もハンガーに掛けっぱなしにしていると、表地と裏地のテンションの不釣合いが生じて、生地がたるむことがあるので注意してください。

シミや汚れがあったとき

 シミがついた時は乾いたティッシュやハンカチを軽く当てて吸い取ってください。あとは呉服専門店や着物シミ抜き専門業者に任せてください。
 あくまでも応急処置が必要な場合ですが、生地が縮みにくい紬などは下にきれいなタオルを敷き水に濡らせたタオルを硬く絞って上から叩き、汚れを下のタオルに吸いとらせる方法があります(絶対に擦ってはいけません)。叩くごとにタオルをずらすことがポイント。その後乾いたタオルで水気を吸い取り、陰干しをして自然に乾かせます。訪問着、色無地など縮みやすい生地は水を使うと輪ジミになるのでしないでください。
 ※ファンデーションなど油性の汚れは揮発性の溶剤、汗や血など水性の汚れは水を使わないと落ちません。応急のシミ抜きは最小限に抑えて、できるだけ専門家に任せましょう。 

 ●参考:ベンジンでのシミ抜き方法(充分注意が必要です)

シワがあったとき

 着物をたたむとき、シワ伸ばしにアイロンをかける場合は、必ず当て布をして適切な温度でかけて下さい。スチームアイロンは使わないで下さい。 

 どうしてもしつこいシワをとらないといけない時は、当て布をいったん着物から放し、当て布に軽く霧を吹きかけ、これをのせてアイロンをかけて下さい。このとき湿り気を残さないよう注意して下さい。(この方法は生地が縮む可能性もあるので通常は当て布だけにして下さい)

丸洗いに出すタイミング

着物と長襦袢は1シーズンに数回着た場合、丸洗いをお勧めします。帯や小物は特に丸洗いする必要ありませんが、いずれも汗やシミが気になる場合は早めに丸洗い(又はシミ抜き)に出してください。

価格表(丸洗い・洗い張り・パールトーン加工・ガード加工) 

パールトーン加工(PT) 

 パールトーン加工(着物撥水加工)は水や泥はねをはじき、着物を汚れにくくします。またカビ防止にも効果があります。シミが生地に浸透しにくいためシミ抜きがしやすくなるそうです。

◎パールトーンのアフターサービス
パールトーン加工をしておくと、アフターサービスで衿や袖口などの基本的な汚れについては無料で落としてくれるので、経済的です。
※加工後20年間、パールトーンのリボンが付いた着物が対象。
※汚れの種類によって有料の場合有り。
※他店でPT加工されたお着物は手数料1,000円を申し受けます。
 パールトーン公式ホームページ

いと善では着物のお手入れを承ります

シミ抜き,丸洗い,染め替え,パールトーン加工,仕立て直し、袖丈直し、裄直し等,各種悉皆承ります。いと善までご持参下さい。
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