山口伊太郎 源氏物語錦織絵巻
山口伊太郎 源氏物語錦織絵巻展に行ってきました。
源氏物語絵巻を京都西陣の錦織で織り表した大作。37年の歳月を掛けて今年3月3日にようやく完成したものです。
詳しくは京都・相国寺 承天閣美術館→
7月21日(月)まで開催中
偶然ですが私が行った6月27日は山口伊太郎氏が亡くなってちょうど1年の命日とのことで、小さな祭壇が置かれていました。
6月中旬に京都で同展を見て来たというお客様から教えて頂き、図録をお借りして見てみたのですが、写真からも見事な技と迫力が伝わって来たので、これは是非実物を見てこなきゃという思いで行ってきました。
実際に見てみて分かったのですが、大和絵の表現を織物で写し取ったというような単純なものではないということです。源氏物語に登場する人物の着物は何層にも重ねて着る襲(かさね)の色目の表現が特徴ですが、その配色の妙は、やはり長年西陣で帯を織っていた感性が生かされていると思います。また、織物で衣裳を表現できるわけですから、大和絵とは違う立体感や素材感が感じられて、西陣織りで表現する意味があるのだと感じました。 試しに絵巻を角度を変えて低い位置からみて見ると、3次元空間にさえ見えてきたのには感動しました。
また、夏衣や御簾(みす)の透かした表現など細かな表現を可能にする為に様々なアイデアと高度な技術を屈指しているのも見どころです。これは言葉ではとても言い表せません。
会場に解説してくれる西陣織の専門家(たぶん職人さん)がおられるので、技術的なことも教えてくれます。
見ていてとても心地の良い感動を覚えながら、時間を忘れて見入っていました。
7月21日まで期間延長されたそうなので、チャンスのある方は是非行ってみて下さい。相国寺自体も伝統と格式のあるお寺で大変見どころがあります。