結城紬の里紀行2023 ②地機
古来の機織り「地機」で織るのが本場結城紬の大きな特徴。
経糸(たていと)緯糸(よこいと)とも真綿つむぎ糸を使うので、織り手の体で経糸の張りを調整する地機が最適です。糸に撚りを掛けないので、糸単体では切れやすいのですが、筬打ち(おさうち)に加え、刀杼(とうひ・大きな杼)で緯糸(よこいと)をしっかり打ち込むことで、真綿の風合いを残しながら織物の強度が保たれます。
また、糸には小麦粉糊を付けることで毛羽立ちを無くし織りやすくしています。店頭に並ぶ製品の段階では糊は落としてないので生地が硬いのですが、仕立てる前に酵素を使って糊を落とすことで、結城紬本来のふわっと柔らかな風合いが戻ります。
●画像:この日は絣(かすり)ではなく、白生地を織っておられました。白生地は段や凹凸など粗が目立つので特殊な技術を要するそうです。以前は白生地専門の機屋がいたとか。友禅染めなど施されることが前提ですから、できる限り均一な生地が求められます。
結城紬はできる限り節のない均一な織物にすることを前提に織られています。「紬は節に趣がある」と言われますが、結城紬の場合趣を出そうとしているのではなく「趣は出てくるもの」だそうです。