みちのく織物紀行⑤ 佐志め織物

佐志め織物 〜商標:五百機織(いおはたおり)〜 

現社長の曽祖母 佐藤志め(さとうさしめ)氏が大正13年に創業。S29法人化するときに「佐志め織物」としました。現在は4代目 佐藤亨定氏へと受け継がれています。

今回は3代目佐藤定祐氏よりお話を伺いました。とても物腰の柔らかい方です。
「色彩、模様はどこでも大事にしているが、それよりも使い勝手の良いものを使って頂きたい。風合いを絶対重視。お客様の声を聞いて、これまでに無い織物を生み出していきたい。」と言う趣旨のお話に感服しました。

 

実際に商品開発の経緯を伺いながら、反物を拝見すると見方がまるで変わります!

◉「なつぎぬ」
「6月と9月は単衣と言われますが、今の時代単衣では暑すぎる」と言うご自分の肌感覚とお客様の要望から生まれた織物です。反物13mで約500gと軽く涼やかなのに、絽や紗の様には透けてないので単衣〜夏の季節を通して着て頂けるとのことです。

◉「五百機織小紋」
江戸小紋柄をジャガード機で織ったもの。600gちょっと 軽いので疲れない。よこ糸強撚糸でバイヤス状の伸縮性がありシワになりにくい。よこ糸強撚糸だが最終的にしっかり縮ませているので生地が縮まないそうです。八掛(裏地)もテンションが変わらない(縮まない)生地を独自に織って色を揃えておられました。

◉「うすきぬ」
約400gという軽さ 。たてよこともに強撚糸を使うので、織り職人は大変なのだとか。糸が切れた時に伸縮性があるので結ぶのに手間がかかります。透け感はありますが、絽や紗のような組織的な隙間は無く、びっしり平織りで織ってあります。経糸・よこ糸の強撚糸のくびれ、凹凸で透けてるだけ。撥水加工すれば目が詰まってるので水は浸みにくいそうです。

羽織・コート用に作ったそうですが、12,5~12.6mあり、充分夏の着物にもできそうなので、1反仕入れてみました。

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