福原愛さんの振袖で話題の「きぬたや絞り」 何故か間違った知識が出回っているようです
卓球の福原愛さん結婚記者会見以来話題の「きぬたや」の総絞り振袖。本当に清楚で可愛い着物姿に私の周りでも大好評です(o^-^o)
この振袖について間違った情報が流れているようです。「辻が花」「辻が浜」「久保田一竹」の名前まで上がって話題にされているようですが、この振袖は「辻が花」※画像6参照ではありません。また「辻が浜」という名称はありません。 「辻が花」とは室町時代後期から安土桃山、江戸初期にかけて行われた絞り技法で、縫い締め絞りを中心に筆書きや摺箔を併用したものです(但し定義は難しい)。※長崎巌著・きものと裂のことば案内参照
愛ちゃんの振袖は 「鹿の子絞り」又は「本疋田絞り」を中心に「帽子絞り」「桶絞り」「一目絞り」などを併用した総絞り。ということになると思います。
価格についてもどんどん跳ね上がって凄い額がうわさわれているようですが、大げさだと思います。ただし「鹿の子絞り」中心の振袖と「本疋田絞り」中心の振袖では金額は大きく違います。※画像④⑤参照
画像1きぬたや振袖
画像2きぬたや振袖
画像3きぬたや振袖(本疋田)
画像4(下)鹿の子絞り 綿糸で4回巻く
画像5(下)本疋田絞り 絹糸で12回巻いて絞るので上の鹿の子絞りに比べて白く抜ける面積が多く、中心の点が小さい。高い技術と手間が掛かる大変高価な着物。一般的な疋田絞りは8回巻きだが「きぬたや」は12回。
画像6(下)辻が花 安土桃山時代の辻が花染めを「故・久保田一竹」が現代に甦らせた様式