着物ひとすじ20年
わたくし事ですが、今年は呉服屋として20年になります。平成元年4月に「東京ますいわ屋」さんに就職し、3年間在籍の後、家業の呉服屋に戻って17年。あっという間の20年という感じです。
大学卒業後、若干22代底々の私にとって呉服屋はあまりにも古くさくて地味、若さがない、そして「もうかりまっか?」の浪花節の業界に思え、更に、営業してても「着物は着ることない、いらない、タンスの肥やし [E:punch]」などど言われ続け前途真っ暗、早く逃げ出したくてたまらない毎日でした[E:sad]。
それが今では着物が大好きで、良い生業を続けさせて頂いていると感謝しています。転機は呉服屋になって5〜6年位でしょうか、元々好きだった歴史や美術(見るのが好きなだけ)と着物を関連付けて考えられるようにってから。ある意味着物が趣味になってきたんです。特に、1999年に京都国立博物館であった「花洛(みやこ)のモード きものの時代」という、安土桃山時代〜江戸時代の小袖を一同に集めた特別展覧会は極めつけで、時代とともに技法やデザインが変遷していく日本のモードだったんだ! ということがよく分かるとても面白い構成でした。そして友禅染め、絞り、刺繍、唐織など、すべて一級の職人技ですから、その迫力には圧倒されました。「呉服屋って凄いものを扱わせてもらてるんだ!」ということです。
そんなこんなで20年、呉服業界は荒波続き、というより最近は大津波になってきましたが、これからも着物の魅力を皆さんにお伝えしていける呉服屋になれるよう進んでいきたいです[E:sign03][E:happy01]。