館山唐桟(綿の着物)の功労者

 館山唐桟織(木綿の着物)は千葉県の無形文化財。細い木綿糸で織った縦縞(しま)織物です。
現在木綿の縞織物の代名詞と言えるでしょう。
 明治時代に初代の斉藤茂助が館山で唐棧織を始め。以後、二代:豊吉、三代:光司、四代:裕司と館山で制作を続けておられます。山桃、藍、椎、矢車の実などを使った草木染め(赤は斉藤家伝来の化学染料)と木綿織をかたくなに守っていることも尊敬に値します。
 10数年前「NHK・日本染織紀行」と言う番組で三代:光司氏、四代:裕司氏が取材されているのを見たのがきっかけで、斉藤氏に直接お電話して、何反か織って頂いています。私の妻も1枚着ていますが、縞のパターンと色目がとても気に入っています。しなやかで着心地が良いそうです。いと善の在庫も1反だけあります。現在新たに2反注文していますが、糸の草木染めの段階からご自分でされているので、糸が揃わないと注文の縞柄ができないとのこと。気長に待っています。
 三代・斉藤光司氏は平成12年春の叙勲で勲五等瑞宝章を受章された「唐桟織」というより、日本の染織界の功労者。残念ながら先頃ご逝去されたと伺いました。私はお電話でしかお話したことがありませんが、とてもまじめな職人さんという印象を持っておりました。大変残念に思っております。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 斉藤家の唐桟は四代:裕司氏に引き継がれています。今後も館山唐桟とういうまじめな伝統工芸品を更に発展させて頂きたいと願っております。

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