博多織り 手織りの魅力!
昨日「博多織を楽しむ会」大好評で終了しました。
多くの皆さんに博多織りを体験してもらいましたが、面白かったのは、織り手が変わるとそこで境目の様に横スジができて分かるんです。力加減などそれぞれ違うんですね。トン・・トントントンのリズムで織るのですが、その間にいくつかの作業を瞬時にこなしていることも分かりました。
私の小学生の娘も真剣なまなざしで延々と織ってました。「お客さんと代われよ!」という感じで申し訳なかったですけど[E:coldsweats01]。
献上博多八寸名古屋帯の商品を価格で比べると機械織り39,800円、手織り298,000円など、かなりの開きがあるのですが、実際に触ってみると、その差は歴然!手織りにはしなやかさがあって、仕上がりもうねってなくて奇麗です。手織りなら経糸の本数を多くして密にできるし、1畝となる横糸の本数も多く入れられるようです(記憶があいまい?)。高速の機械だと糸が切れやすくなるなど、細かなことは無理で、どうしても堅くなります。
今回機織りをしてくれた、小林さんに話を聞いてみると、なるほどなと思います。1本の帯は大体3日間で集中して織り上げるそうですが、気持ちの起伏、湿度の変化、座布団の高さを替えても横段が出来るので、物理的にも精神的にも一定で織らないといけない気の抜けない作業。ある男性の職人さんの話ですが、朝 夫婦喧嘩になりそうになった時は、サッとかわして家を出るんだそうです。また、トン・・トントントン(織り手によって多少違うらしい)の一定のリズムで織るので、間違っても音楽を聞きながら作業するなんてことはありません。それから博多織の熟練した職人さんは皆さん温厚な方だそうです。機織りが人間を大きくするんでしょうか。なんだか修行僧のようですね!
現在博多織の職人さんは高齢化が進んでいて、危機感を抱いた業界が「博多織デベロップメントカレッジ」(学長は人間国宝の小川規三郎氏)を10年限定で開設中で、小林さんはその卒業生。熟練者とカレッジ世代の間(数十年間)の世代がごっそり抜けているそうです。カレッジ出身の皆さんが熟練者のような、しなやかな風合いを出せるようになるには、まだまだ相当の経験が必要とのことですが、「博多織物」の未来はこの若い世代に掛かっています。
カレッジ世代の皆さんが一生の職業として続けていける為には、きものファンの皆さんに博多織りの魅力をちゃんと知って頂いて、ちゃんとした価格で買っていただかないといけないですね[E:happy01]。
呉服屋が言うと、なんか・・なんか・・・ですか?・・・[E:coldsweats01]