弓浜絣(ゆみはまがすり)〜後世に伝えたい日本の伝統工芸織物⑤〜 ※木綿と絣の混同についても記述

「弓浜がすり」産地:島根県米子市・境港市・西伯郡淀江町(さいはくぐんよどえちょう)  

 この地方では江戸前期より綿の栽培が盛んでした(伯州綿)。木綿絣(もめんがすり)の始まりについては、江戸中期に備後絣(広島)の技術が伝わった、などの説があります。弓浜絣は緯糸(よこいと)だけで絵模様を表す絵絣(えがすり)が特徴で、藍の地色に白く抜けた絣模様が映えます。
木綿絣は仕事着、布団の生地、風呂敷、更には晴れ着など農家の自家用として織られたものですが、山陰の絣は嫁入り道具の必需品でもあったため、家族の幸せを願う鶴・亀、宝尽くしなど優美な吉祥模様が多く見られます。
弓浜絣は倉吉絣(鳥取)、広瀬絣(島根)と共に山陰の三大絵絣の一つ。 昭和50年(1975)に国の伝統的工芸品に、 昭和53年(1978)に県指定無形文化財に指定されました。
随筆家の白州正子さんは著書「きもの美」の中で「文化財という名まえにおどかされることはありません。文化財であろうとなかろうと美しいものは沢山あるのです。その一つに鳥取の絣があります・・・」と山陰絣の魅力を伝えています。
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余談ですが、「木綿絣」という言葉について「木綿と絣ってどう違うんですか?」とよく質問されます。恐らく弓浜絣、備後絣、久留米絣など、単に「〜〜絣」と言われる織物の多くが木綿織物だからだと思います。絣は模様を表す技法の一つなので、絹織物の絣(結城紬、大島紬など)、麻織物の絣(小千谷縮み、八重山上布など)、ウールの絣も当然あるわけで、木綿=絣というわけではありません。「木綿は素材」「絣は模様表現の方法」カテゴリーが違うのです。
いと善「大感謝祭」で手に取ってご覧ください
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