館山唐桟(たてやまとうざん・木綿の縞織物)〜後世に伝えたい日本の伝統工芸織物⑥〜

産地:千葉県館山市須賀

 唐桟(とうざん)は江戸初期にインドからオランダ船でもたらされた木綿の縞織物。名前の由来は荷物を船に積んだインドのセント・トーマス港にちなみます。木綿なので、江戸時代の贅沢禁止令で絹織物や華美な衣装が制限された町人でも着ることができたことや、粋な縞の配色が江戸好みとして町人、役者、武士の間でも大人気となりました。 館山唐桟(たてやまとうざん)は、斉藤茂助(さいとうもすけ)が明治23年(1890)千葉県館山ではじめ、二代・豊吉(とよきち)、三代・光司(こうじ)へと受け継がれました。館山唐桟織は千葉県の無形文化財に指定されています。 館山唐桟の特徴は細い木綿糸を草木染めした縞(しま)織物。綿糸は42番手〜80番手の細い綿糸。織り上がった反物を砧打ち(きぬたうち)するため、しなやかで絹のような光沢と風合いが生まれます。

◎斉藤光司氏の手仕事:立松和平著『きもの紀行』よりヤマモモ染めについての一節「染料は味をみれば分かります。甘い時は薄くて、渋い時は濃いのです。甘みと渋みが半々なら中間です。濃い色で一度で染めるより何度も染めて虫干しした方が糸に艶が出て、堅牢度も増します」 父・豊吉の厳しい教えと、その後の鍛錬が伺える言葉です。
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