越後染め織り紀行③「紺仁」

「紺仁」1751年(宝暦元年)創業 新潟県小千谷市

紺仁(こんに)さんは着物業界では片貝木綿でお馴染みで、全国の着物愛好者から支持を得ています。
「片貝木綿」は昭和二十年代、民衆工芸運動を提唱した柳宗悦に紺屋としての仕事ぶりを買われ、その指導のもと独自の織物を完成させたのがはじまり。3種類の異なる太さの糸を織り込んで、独特の素材感とふうわりサラリとした風合いが特徴で、社長さん曰く「学者さんが考えた組織かけあって着心地が良くて、これまであまりクレームもないですよ」とのことです。

こちらに伺うまで木綿着物中心の織元さんとイメージしてましたが、紺仁さんは祭りや職人用の半纏(はんてん)や被布半纏などを主にされているようでした。


 工場の入り口に藍の葉が飾ってあって、中には藍甕(あいがめ)も。北海道で唯一藍を作っているところ(たぶん伊達藍)から「すくも藍」を入れて半纏を染めておられます。工場では分厚い刺し子の生地を張って「松煙染め」しているところを拝見しました。松煙染めは大豆の汁に炭を溶かして刷毛で塗ります。松煙染した上に藍染すると綺麗な藍になるそうです。

 半纏は祭りや職人の仕事着、粋なおしゃれ着として全国から需要があり、紺仁さんの半纏は高級品ですが、1点からオーダーできてこだわりのあるユーザーさんから支持されています。

機織りも拝見。かなり年数を重ねていると思われる機がカシャンカシャンと活気のある音を立てていて、中には豊田佐吉時代の自動織機も現役で動いているのには驚きました!

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