越後染織り紀行② 越後上布

 越後上布は新潟県南魚沼市で織られている麻織物。上布とは上等な麻織物のことで、越後上布は福島県昭和村の苧麻を原料とします。今回は「塩沢織物工業組合」に伺い、小河工房さんから説明を伺いました。

 苧麻(ちょま・イラクサ科の多年生植物)の茎の繊維を取り出し乾燥させ「青苧」にします。
(※画像の苧麻は組合の前で栽培してあるもので、見せるためのものだそうです)

青苧を水に浸して柔らかくし細く裂いて糸の太さまでします。この短い繊維を繋いで長い糸にするわけですが、コブ結びはしません。2本の糸の両端を合わせクルクルと撚ります。撚った端を更に右に倒して1本にして更にクルクルと撚ることで繋がりました・・・不思議!・・・。こうして手績み(てうみ)された糸は「苧桶(おぼけ)」に入れておきます。糸には撚りを掛けて布海苔で糊付けして強度を高めます。
 績む人によって太さの基準も違うため、別の職人の糸は混ぜないとか。
※ちなみに、同じ手績みでも沖縄の芭蕉布とは糸の繋ぎ方が異なります。

 糸を「手くびり」して染めた(絣付け)後、機にかけて製織。ここでは地機織りの実演を拝見しました。
 地機は腰当てで経糸の張力を加減しながら織る原始的な機ですが、結城紬の里で見た地機よりも地面に近く。足首にかけた紐を引くことにより経糸を1本置きに上下させ緯糸(よこいと)を通す方式で、とても素朴な機でした。大きな杼(ひ)でしっかり打ち込み、更に 筬打ち(おさうち)を行います。杼は絣糸用と地糸用の2つを使います。
 手績み(てうみ)の苧麻糸は切れ易いため、機織りは湿度が必要で雪の積もる冬場が最適です(湿度70%くらいが良い)。また、機の位置が低いのも地面に近い方が湿度が高いからだそうです。実演では糸を湿らせながら織っておられたのが印象的でした。
 織り人にもよりますが、織れるのは1日15~20cm程度で早い人でも1反織るのに2ヶ月程度、細かい絣柄の場合は1年以上要することも。

越後上布は小千谷縮と共に「ユネスコ無形文化遺産」に登録、「国の重要無形文化財」に指定されています。
 国指定 重要無形文化財の指定条項は①すべて苧麻(ちょま)を手積みした本製糸を使用する事 ②絣模様をつける場合は手括りによる事 ③居座機で織る事 ④皺(シボ)取りをする場合は湯揉み、足踏による事 ⑤さらしは雪晒しによる事 

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