いと善着物お役立ち帖⑨「羽織」の1~歴史で見る男女の羽織~

羽織は着物おしゃれさん大好きなアイテム!

[羽織元々男性から] 羽織は陣羽織や胴服から派生したと言われ、江戸時代はじめに武家の平服や旅装として紋付羽織が普及。町人男性も取り入れ、おしゃれな外出着としても発達しました。幕末には武士の準礼装となり、明治維新後は礼装略装や正装にも用いられるようになりました。

[男性の羽織]歴史的経緯から、黒紋付の第一礼装から普段のお洒落着まで幅広く着用されています。

[女性の羽織]江戸中期〜後期、深川芸者(たつみ芸者)が男髷に羽織を着て粋に着こなすなど(羽織芸者とも言われる)、女性もおしゃれアイテムとして取り入れようとしますが、女性の羽織着用ははたびたび禁止されました。女性の羽織が一般化したのは明治以降。

普段の着物に黒紋付羽織にを羽織ることによって「着物の格を補い、よそ行きにする」慣習は、明治20年代にはすでに確認でき、大正〜昭和初期に庶民生活の中で広く定着しました。

1960~70年代 黒絵羽(絵羽羽織)が大流行。子供の卒業式・入学式などの改まった場所に黒羽織が大活躍しました。紬・小紋・お召などの普段着(色無地も含む)を格式ある装いに変える経済性が受け入れられます。 ただし、80年代の帯付き(訪問着、附下、色無地に袋帯のお太鼓結び)への移行で急速に衰退しました。 

[おしゃれ]明治〜大正〜昭和初期(戦前)羽織はおしゃれの必需品でした。 

「羽織は派手目に着物は地味目に見立てよ」(1930年)と言われたように、派手な絵羽織が流行します。

戦後はおしゃれアイテムとしての羽織は衰退します。茶羽織(羽織を省略したもの)に象徴されるように丈も短めになりますが、平成移行少しずつ再認識され再び長羽織が流行します。

 そして現在は重ね着のおしゃれを楽しむ必須アイテムとして欠かせないものとなっています。大正期とは違い、絵羽柄は少なく、小紋(着物地)を羽織に仕立てるものが主流になっています。

[羽織丈」羽織丈の好みは時代によって変化します。基本的にお好みで決めます。当店では、おまかせの場合は膝〜膝下10cmくらいをおすすめしています。ただ、ふくらはぎくらいまでの長羽織は身長の高い方におすすめしています。

[着用時期]袷(あわせ)の羽織は「紅葉が色づく頃〜桜が満開の頃」が一応の目安ですが、寒い時には着用しましょう。

[室内では]羽織は室内でも羽織って良いものですが、改まった場所では「羽織を着たままで失礼します」と一言添えると良いようです。お茶席では着用しません。

[生地質]生地は弾力性のある上質なものがおすすめ。簡単に畳んでもシワにならない。 

※参考資料「きもの宝典(主婦の友社)」ほか

Follow me!