越後染め織り紀行⑦「蕪重織物」十日町紬

◉蕪重織物は明治5年創業。十日町絣の技術をベースに多彩な紬絣を創作されています。
社長さんより各工程の説明をしてい頂きました。


◉図案の設計図を元に絣部分の印付け(木羽定規ではない)


◉ここでは絣の刷り込みの装置が特徴的でした。糸を張ってパイプの様なヘラを下から当てて染料染料を吸い上げる方式ですが、大量生産向きで、一度に複数の束をに摺り込むことができます。かつて着物がたくさん流通していた頃は6束くらいまとめて摺り込んでいたそうです(画像は2本)。下にレールがついていてハンドルでヘラを移動します。ヘラ(パイプ)も複数あって色を使い分けています。
  色を刷り込んだ部分を綿糸で括って(防染)、浸けて地色を染めることもあります。


◉ドラム整経(経糸の本数、長さ、並びを整える)
この日の整経は白と水色の糸を交互に配していました。経糸はほとんど生糸ですが、少し真綿糸が入っています(茶色のボビン ※画像)。真綿が入ると強く打ち込まなくても安定するので、ふっくらとした風合いにつながるそうです・・・なるほど!・・・。もちろん生地に味わいも出ます。

 最初の図案から反物が織り上がるまでは2ヶ月くらい掛かるとのこと。伝統工芸の世界は概ねそうですが、ますます高齢化して若い継承者が育ちにくくなっています。
 蕪重織物さんの着物はお手頃で着心地が良く普段着物愛好者の味方!
ただ、お手頃な価格を当たり前のように思っていましたが、これは間違いのようです。いずれ今のようには手に入らなくなるでしょう。
 いつまでも良いものを織り続けて欲しいので、ユーザーの皆さんにもその価値をお伝えしていきたいと思います。

ちなみに、社長さんはまじめでとっても親しみやすい方。応援したい気持ちになります🤗

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