09年成人式、振袖の傾向  呉服屋の感想

 昨日の続き
私が見た限りでは、やはり振袖雑誌や貸衣装の広告などで見られる様なライトな花模様の振袖ばかりが見られた印象です。振袖も流行のファッションとして楽しまれているんでしょうね。流行の浴衣と振袖のデザイン感覚が似ているのもうなずけます。それぞれの時代の感覚で着物が若い世代の心を捉えていることはとても良いことだと思います。
 ただ、今に始まったことでは無いのですが、あまりにも同じ感覚に偏り過ぎていたり、着物が軽くなり過ぎていることも感じます。着物本来の生地の質感や手染めの深さ、吉祥模様に込められた思い などがおいてけぼりにされている気がします。例えば、染めでは「絞り調」のものが多く見られましたが、あくまでも「調」で手絞りは殆ど見かけませんでした。帯〆、帯揚はセット的に合わされた感じで、色だけ合わせているという印象。だからと言って決してお手頃価格ではないと思います。
 小うるさい事書いてすみません。ただ着物本来の魅力を知って頂きたいと思うのです。流行のファッション的な要素だけだったらもったいない!  感覚的に分かり易く言うと、雑誌でいえば「美しいキモノ」や「きものサロン」で紹介されている振袖には良いものが多く見られます。古典的で清楚なものが多いですが、色やデザイン感覚は常に時代を意識しています。
 成人式では何百人もの振袖姿が集いますが、流行の振袖の中にあって、質の良い振袖姿のお嬢さんを見かけたら「お主できるな!」という感じでとても引き立ちますよ!  
質が良いからと言って、決して高額になるわけではありません(販売店にもよりますが)。
これは好みの問題もあるので、押し付けるつもりはありませんが、長い目で上質な着物を選んで頂きたいと思います。
「いと善振袖ページ」一部更新しました→

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